石工のこだわり
石工は狛犬を彫るとき見る人にここを見てくれというところを作るものだ。
それが顔の表情だったり、毛の流れや体の動き,尾の形などそれぞれの石工が知恵と勇気をもって彫り上げている。
私がいままで見た狛犬でここまでやるかと感心させられたのは、南千住にある素さ雄神社の獅子山だ。
素さ雄神社の獅子山はすごい。何がすごいかというとあの流れるような尾、極限とも思われる尾に私は石工のこだわりを感じた。ここまで長くするということがいかに石では困難なことかということをわかってほしい。
素さ雄神社の獅子山を彫った石工は、石という素材の常識をこえた彫法であの獅子山を彫り上げたのだ。
石工は、尾の長さにこだわり、決して妥協しなかった。このこだわりが見る人に無限の創造力と感銘を与える。
こだわりのない狛犬ほど、見ていてつまらないものはないだろう。
私も、このこだわりを持ってこれからの作品に生かしていきたいものだ。
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